泉美術館

展覧会

特別展 終了

さりげない自然の美 竹喬美術館名品展 小野竹喬

さりげない自然の美 竹喬美術館名品展 小野竹喬フライヤー

会期

2007年4月14日(土)~2007年6月3日(日)

会場

泉美術館

開館時間

10:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日

月曜日
(※1月10日(祝)は開館、年末年始休館: 12月30日~1月1日)

入場料

一般:300円(240円)、学生150円(120円)、中学生以下は無料 ※()内は10名以上の団体料金

出品作家

小野竹喬

主催

財団法人泉美術館、笠岡市立竹喬美術館

後援

広島県教育委員会、広島市、広島市教育委員会
NHK広島放送局、中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島
広島エフエム放送局、中国新聞社

人は日常のふとした自然の表情よりも、四季の変化が明確に現われる名勝地の景観に眼を向けがちです。日本画家の小野竹喬は、日々接する身近な自然のひとこま、なにげない場所のさりげない自然の美しさに親密な眼差しを注ぎました。その柔和な眼は、どのような小さな自然の内にも宇宙に通じる生命の営みがあることを確信した、真理を凝視するものでした。このたび開催される小野竹喬展では、やさしく温かに感じられる竹喬作品の奥に、自然の「生」を厳しく追い求める画家の真摯な姿があることをお伝えします。

小野竹香(1889〜1979)は、現在の岡山県笠岡市に生まれました。14歳の時に京都にのぼり竹内栖鳳に師事します。明治42年には京都市立絵画専門学校に入学して、伝統的な日本画の技術だけでなく西洋美術に関する体系的な知識も学びました。明治40年に創設された文展で活躍したのち、大正7年には土田麦僊や村上華岳らと国画創作協会を創立します。近代日本画の歴史を語る上で、再興日本美術院とならぶ画期的な在野の団体であったといえます。この時期の竹喬は、日本画の材料である絹や岩絵具を用いて、西欧近代絵画が達成した実在感に富む風景画の形成に努めていました。それが、大正10年からの渡欧経験により日本や中国の古典に目覚めることとなり、次第に日本画の伝統的な線の表現を再認識します。さらに大和絵の装飾的で象徴的な画面構成に惹かれていきます。そして、昭和20年以後の30年間は日本画の素材の美しさを最大限に活かし、日本の自然が朝な夕なに、また四季折々にその姿を変えていく微妙さを「自然の香り」とたとえて、瑞々しい色彩の世界として表現しました。このような成果は昭和51年の《奥の細道句抄絵》に実を結び、同年には文化勲章を受章しています。

ご来館の方々は、竹喬美術館ご所蔵の戦後の竹喬作品40点と、泉美術館の空間の中でどのような心の会話を交わされるでしょうか。竹喬作品のさりげない自然の美しさというメッセージを一人でも多くの方に受け取っていただければ幸いです。

イベント

竹喬美術館学芸員によるギャラリートーク
日時:2007年4月14日(土)14:00~
聴講無料・要入館券